今日、新聞を見てビックリした。
『J・マイヨール氏自殺』の文字が・・・!Σ( ̄□ ̄;)
ジャック・マイヨールと言えば、映画『グラン・ブルー』のモデルになった方であります。
素潜りの世界チャンピオン。世界で初めて水深100メートルを記録した男。。。
自宅で首を吊って死んでいるところを発見されたらしい。
何故、自殺なのかは不明という。。。
著書『イルカと、海へ還る日』(関邦博編・訳)は俺も持っています。何度も読みました。
この本の中で特に印象深かったのは、イルカのクラウンとの再会の場面。
以下、少し引用したいと思います。(著作権法上、問題のある場合はご指摘ください)
7年の歳月を経て、マイヨールが以前いた水族館に戻ってきたところから・・・
私はなつかしい水槽のふちに立った。ここはとても想い出深い場所だ。私の前に六頭ほどのイルカたちがやってきたが、その中にクラウンがいるのかどうか、わからなかった。彼女の特徴となっている鼻と背中の傷跡が、どこにあったか思い出せないでいたのだ。
うろうろ立っている私はまぬけに見えただろうか。クラウンは私に気付いていたのだ。私がここを訪れた瞬間から、彼女は私の存在を感じていたのである。
私は人々と話しながら、ふちから身をのり出した。瞬間、クラウンがしなやかに飛び上がり、私の髪をくわえた! おおクラウン。(中略)
彼女は頭を出してさかんに首をふり、私を大声で呼んだ。彼女の優しい目が私の心を揺り動かし、私は涙があふれてきた。
クラウンは私にテレパシーで訴えていた。かつてのように泳ごうよ、またいっしょに潜ろうよ。彼女はもう一頭の動物ではなかった。私のなつかしい大切な女友だちだった。
着のみ着のまま、私は水槽にとびこんでいった。幸せだった。クラウンと再会したのだ。みんなは私が服のまま泳いでしまってあわてていたようだが。そうして私とクラウンは水の中でしっかりと笑い合ったのである。
また、水深60メートルを達成した時にはこう記している。
私が水深60メートルに達したとき、ふとクラウンの声を聞いたような気がした。振り返ってみてももちろんそこには彼女はいない。厚い水の音から、そう聞こえたのかもしれない。
もしかしたら、クラウンはそこに住んでいたんじゃないか、今ではそう思う時もある。とにかく私はそこでクラウンの存在をしっかりと感じることができた。
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ジャック・マイヨールはクラウンと出会えたのだろうか。
今頃、クラウンといっしょに深遠なる青の中で笑い合っているのかもしれない・・・。
ご冥福をお祈りします。
合掌。