高校2年の夏、ドラムをやりすぎて体調を崩し入院しました(笑)
まあ、入院なんてイヤだな~と最初は思っていました。
案の定、毎日退屈でしかたがない・・・。夜は消灯時間が早すぎて、全然眠くならないし・・・。
だからナースステーションの前で本を読んでいるか、看護婦さん相手にお喋りしてみたり・・・。
そんな日がちょっと続いていました。
そして、夏といえば夏休み!です。
その病院には看護学校があったのですが、ある日、そこの学生さんたちがバイトで何人かやってきました。
僕は意外にも(!)「ふ~ん・・・」てな感じで冷静にしてました。
決して無理して冷静にしてたわけじゃあありません(笑)
本当に普通でした(^_^;
あんまりしつこく言うと逆に疑われるのでこのへんで・・・(笑)
そんなある日のことでした。
僕がベッドでボーっと横になっていたんですが、ちょうど部屋の外の廊下が見えるんです。
で、その廊下をボーっと眺めていたんですが、学生さんが一人、ひょこひょこと現れて、
廊下の手摺りの掃除を始めたんです。その姿を見ていた時、なぜかハッとしました。
何か惹きつけられるものがあったんです。
で、僕はジーッと彼女を見つめました(笑)
すると、向こうも視線を感じたのか、こちらを見たのです。
ほんの1,2秒だったと思いますが、僕にはとても長く感じられました。
その日、僕の心の中で何かが変わりました。
次の日から彼女のことばかり考えていました。
彼女も何か感じたのでしょうか、僕のところに来て、暇な時はけっこう長い時間話していくようになりました。
彼女は看護学生さんですから僕より年上でしたが、とても綺麗な人でした。
身長は僕とほとんど同じくらい(170くらい?)で、すらっと背が高く、顔も小さくて、
まるでモデルさんのようでした。
とにかく毎日が楽しくなりました。体調はかなり良くなっていたので、医者から退院の話もあったのですが、
ここで退院したら彼女に会えなくなると思って、仮病を使ったほどです。(笑)
そして、なんとか退院を遅らせることに成功しました(笑)
「やったー、これでもうちょっと彼女と一緒にいられるぞー!!」
なんて心の中で喜んでいました。
そんな時、学生さん達が「お世話になりました」と部屋をまわって患者に挨拶をしているではないですか!!
僕は愕然としました。
え~~~、うそだろ~~~~!!!!!!
しゃれになんないよ~~~~~!!!!!!
彼女ともう会えない、もうあの美しい顔を見ながら楽しい話をすることなんてできないんだ・・・・・・・・・
僕は途方に暮れました。
その日の晩飯は喉を通りませんでした。
ほんとに、あの時思ったのは、喉を通らないってこういう感じなんだなーって事でした。
そして、涙で枕を一晩中濡らして朝を迎えました。
そして・・・・・・・・
朝になって、フッとドアのほうに目を向けると・・・・・
すると、そこには、、、彼女がいるじゃないですかっ!!!!
え、なぜ!!とビックリしました。
話を聞くと、何人かはバイト期間が終わったのだけど、自分はまだ残るということでした。
それを聞いてどんなに喜んだことか、もう言葉では言い表せません。
それから何日かは彼女と二人でゆっくりと話すことができました。
ちゃかしに来る友達もいません。
僕はこのままずっと時が止まってしまえばいいのに、と思っていました。
その間、病院食で食中毒にあうなど(笑)、医療そのものは非道い目にあいましたが、
まだあの頃は若かった(笑)
恋心で全ての障害を吹き飛ばすパワーがありました(笑)
しかし、そんな幸せな日々は長くは続きません。
ある日突然、別れがやってきました。
彼女の叔父さんが危篤状態になったので故郷に帰らなければならないと言われました。
ショック、ショック、ショック!!!!です。
「またどこかで会えるよね!」とあの人は笑顔で言いました。
そして、僕はついに自分の気持ちを伝えられないまま、彼女を見送らねばならなくなりました。
最後の最後まで「好きだ」の一言が言えずに・・・・。
彼女が歩いていく後ろ姿を病院の窓から見ていると涙が込み上げてきました。そして、彼女が去っていったほうをいつまでも見ていました。
その後、彼女とは病院の近くで一回会ったきりです。その時は話なんてする暇がなく、挨拶程度で終わってしまいました。
それからずーっと会ってません。今どこで何をしているかも全く分かりません。
今はもういい思い出になっていますし・・・。
ただ一つ、悔いが残るのはやっぱり「好き」の一言がどうしても言えなかったことです。
それともう一つ。
彼女の名前を聞くことすら忘れていた自分に少々幻滅してしまったなり(笑